【数秘仮想宮 姓名数占い(講談社の実用BOOK)】 (八住 かむろ著/講談社刊/2004)
2008.12.6 レビュ−
本著はその名前にもあるように「姓名数」、即ち氏名を数字に置き換えて鑑定を行う方法のみに特化しており、他の数秘術本とはその趣を異にする。 しかし生年月日がわからなくても名前さえ判れば容易に鑑定が出来る為、使い勝手の良いアイテムであると言える。
「姓名数」にて鑑定を行う際、数秘術では「ゲマトリア」と呼ばれる変換法を用いて文字を数字に、又はその逆の変換を行うのだが、本著では様々ある変換法の一つである「カリョストロ換数表」なるものを用いている。この変換法は数秘術の二大変換法である内の一つ、「カルディアンシステム」とほとんど同じものであるが、「X(エックス)」のみ変換する数字が異なっているのが特徴である。(カルディアン→5 カリョストロ→6) ちなみにこの方法と全く同じものは当サイトのレビューコーナーでも以前採り上げた、斉藤啓一氏の著書「秘法カバラ数秘術」内に「カリオストロ版数値換算表」という名で用いられている。
本著の「姓名数」鑑定の方法は他の数秘術体系とそれほど変わるのものではない。 氏名を数字変換した際、母音の合計数を単数変換したものを「心数(心の気がかり)」、子音のそれを「表数(表に出る性格)」、双方をプラスし単数変換したものを「生活数(生活意識)」として鑑定に用いている。
通常数秘術鑑定を行う際は氏名をローマ字変換し、各アルファベットに対応する数字を当てはめていくのだが、本著ではひらがなに対応した「五十音換算表」がある為、そのまま当てはめる事が出来、計算も簡便である。
また各数字の解説文も判り易く記載されており、各数字に該当する有名人の説明も丁寧である。更に恋人や家族、仕事の相性判断も独自の理論「和と差の数理」を用い、こちらも判り易く説明を行っている。 そして最後にはこの姓名数占いにてわかる「縁」についても詳しく説明しており、生年月日で鑑定する方法の記述が無くても十分に通用する数秘術本となっている。
取り上げているのが姓名数鑑定のみであり、また基本となる数字の解釈にも著者独自のものが多く含まれるので、現代数秘術の学習を積んだ者が読むと若干混乱してしまうかも知れない。 しかしながら、姓名数鑑定のみでこれほど中身の濃い数秘術鑑定本が出来るのか、と良い意味で感銘を受けた一冊であると言えるだろう。
|