【秘法カバラ数秘術―古代ユダヤの秘占・運命解読法】 (斉藤 啓一著/学習研究社刊/1986)
2007.10.21 レビュー
この本は正に日本における数秘術本の草分け的存在であり、かつ金字塔ともいえるものである。 私が数秘術を本格的に学ぶに当たって最初に購入したのもこの本である。
まず初めにヘブライの伝統である「カバラ」とその大いなる智慧について触れる事で、普段は無機質な数字に生命の息吹が吹き込まれる。
その後は生年月日を単数変換する事で導き出される1〜9、11、22の誕生数における性格面の長所・短所を取り上げ、更にそれぞれの誕生数毎にこの人生における「使命」を与える事で非常にメッセージ性の強い本へと仕上がっている。
また生まれ日における性格にも言及しているので上記の誕生数と含めて多角的な判断が可能となるだろう。
そして本書は聖典解読技術の一つである「ゲマトリア」にも触れてくる。 ここではカルディアンシステムと殆ど変わらぬシステムによって氏名(ヘボン式ローマ字)の アルファベットを数字に置換えそれを単数変換する事でカバラ姓名数を(これも1〜9、11、22まで存在する)導く方法を綴(つづ)っている。
また各姓名数を代表する歴史的人物を取り上げ、如何にその姓名数の持つ力を発揮するに至ったかについて簡潔に述(の)べている。
後半では上記のゲマトリアを応用したカバラ運命数や、年ごと・日ごとの傾向を掴む事の出来るカバラ年霊数・日霊数、そして恋愛において役立つカバラ愛情数等様々なコンテンツで我々を魅了してくれる。
但し輪廻転生を肯定する書き回しである為、各メッセージがそれに伴い大仰(おおぎょう)なものと感じてしまうきらいはあるが、それを差し引いても数秘術本として見事にバイブル的存在を果たしていると言えるのでは無いだろうか。
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