【魂の目的・ソウルナビゲーション―あなたは何をするために生まれてきたのか】 (Dan Millman著/東川 恭子訳/徳間書店刊/2001)
2008.7.3 レビュー 同 8.1追記
私がこれだけは失いたくないと思う数秘術本の内、一つは一番初めにレビューを書いた 『数秘術―数の神秘と魅惑』であり、そしてもう一つは、今回紹介する本著である。 本著は巷に溢れている様な一般的な数秘術本とは明らかに趣を異としている。 一般の数秘術本はあくまで「占う」事を前提に書かれているのだが、本著においては対処療法的な 「占う」という行為についてではなく、その対象人物の「気付き」を促す事で、己の目標や使命を認識・確認し、より良い人生旅行が出来るようにサポートする「コーチング」的な要素を前面に出しているのだ。
本著にて使用するのは生年月日を減衰加法を用いて算出した「誕生数」や「基本数」のみである。 ただし通常の数秘術体系と異なるのは、「31/4」や「22/4」というように、減衰加法の途中過程に現れる数字(31や22)も重要視するという点である。 この方法によって、「誕生数」たった1種類の使用であっても、実に奥の深い人間性分析が可能となるのだ。 またこれら「誕生数」の意味を把握する為、「基本数(0〜9)」という概念も用意されている。
この「誕生数」によって定められる使命や目標、特性等をひっくるめて著者は「運命システム」と名づけている。 前半はこのピュタゴラスから連綿(れんめん)と繋がる「運命システム」、そして数字が示す人生の課題とエネルギーについて取り上げており、各「基本数」毎の人生の目的やハードル、その他の特質と課題、などを非常に細かく述べている。
後半では「誕生数が明かす運命の道」と題して、各「誕生数」毎の人生の目的やその人物のプラス面・マイナス面、更に人生の課題(健康・人間関係・才能・仕事・財産)などについて取り上げている。 更に「運命を実現する鍵」と題して、日常生活の中で心がけるヒントを示したり、また、理解を深める為の考察や行動チェックリストなどによって、ただ情報を与えるだけではなく、その場できちんと考えさせ、「気付き」を導き出せるような配慮もされている。
そして「人生を変える法則」として17個の「精神法則」を提示し、各「誕生数」毎に割り振る事で、己の人生における行動指針を定めるサポートを行っているのだ。
本著は明らかに巷の数秘術本とは一線を画しており、そもそも数秘術本のカテゴリに含める事についても異論が出そうな程、「自己啓発」的な内容となっている。 その為、未来について具体的な事を「占う」、といったものを期待した人達にとっては、期待外れになるかも知れない。
また、霊などスピリチュアル的な要素の記述も多く、更に医療関係についてもいささか断定的な書き方をしている為、割り引いて読み解いていく必要もあるだろう。
しかし、「数秘術」という不思議なシステムをこれほどまでに有効活用し、我々凡愚(ぼんぐ)に大いなる「気付き」を与えてくれる本著は、是非とも傍(そば)に置いておきたい一冊であると私は強く思う。
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