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タロット解釈実践事典―

大宇宙(マクロコスモス)の神秘と小宇宙(ミクロコスモス)の密儀
井上 教子

国書刊行会 2000-08
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【タロット解釈実践事典―大宇宙(マクロコスモス)の神秘と

小宇宙(ミクロコスモス)の密儀】

(井上 教子著/国書刊行会刊/2000)

 

2009.1.18 レビュー

 

本著はその題名にもあるように、正にタロットを解釈する為の「事典」である。タロットカードの歴史や成立の背景、更にスプレッドや各カードの解釈法等を実に細部に渡って記載しており、タロットを勉強するに当たって、大いに参考になる事請け合いである。

 

『はじめに―筆者のことば』にて著者はタロットカードについて、未来を「当てる」道具である以前に、今を「どう変えるか」知る為の道具であると、その考えを述べている。この考え方には私自身とても共感している。

 

その後の『イントロダクション』では、タロットカードとは何か?とカードの定義を行ない、タロットカードにて占い際の一般的な注意事項を取り上げている。これを初めに読んでおく事で、タロットカードによる占いの際に迷いにくくなるだろう。

 

更に『タロット的宇宙観』にて四大元素や黄道十二宮等、占星学的知識についてさらっと説明しており、『タロットカードとトーラー』、『タロット・カバラ・ヘブライ文字』、『タロットカードと生命の樹』にて、その後から始まる大アルカナの解釈に役立つ背景知識を身につける事ができる。

 

そしていよいよ大アルカナの解釈に入っていくのだが、本著の特徴として従来の解説本のような正位置・逆位置といったハッキリとした意味の区分けはせずに、そのカードの意味の「強弱」という形で解説をしているのだ。なぜなら本著では「一枚のカードは隣接する全てのカードの影響を受ける」という考え方の元に綴られており、たとえ正位置で出ていたとしても、言葉としては逆位置よりの解釈を取り上げる場合がある為、このような方法を用いているのだ。そもそもカードはその一枚のみで存在しているわけではなく、また正位置・逆位置等でハッキリと区別できるものでは無い。そういった点でも本著の試みは評価できる。

 

大アルカナの一枚一枚で、歴史背景やカードに描かれたシンボルについてなど詳しく説明しており、初級から中級に入る為の解説本として利用する方が良いかも知れない。

 

小アルカナやコートカード(人物カード)についてもしっかりとした解釈を試みている。ちなみに小アルカナでは従来のように正位置と逆位置の意味を明確に分けている。また小アルカナの構成やコートカードの事前説明により、効率的にそれぞれのカードの意味を理解する事が可能となっている。

 

更にカードのスプレッド法の紹介(スリーカード・ケルト十字・ヘキサグラム)やカード解釈のポイント、カードの色調等々盛り沢山な内容で我々を迎えてくれるタロット事典となっている。スリーカード法やケルト十字法、ヘキサグラム法の解釈方法についてかなり詳しく記載しているので、自身の鑑定を見直す意味でも良い教材である。

 

あえて欠点を言えば、大アルカナの解釈に際して従来のような正位置・逆位置の区別を行なっていない為、タロット初級学習者にとっては解釈がし辛いかもしれない。ある程度の知識を持っている中級者以上の人が読む事で、タロットに対する造詣がより深まるだろう。

 

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